はじめに
Wi-Fi に対応したエアコンを Home Assistant で操作したいと思い方法を模索していると、日本の大手メーカーの Wi-Fi 対応エアコンは ECHONET Lite に対応していることが多く、統一された規格でデータの取得と操作ができることがわかった。
今回は自宅のエアコンを ECHONET Lite 経由で Home Assistant に登録しデータ受信とエアコン操作をしてみた。
ECHONET Lite とはなにか
白物家電や住宅設備を中心に展開されている IoT 規格の一つで、ベンダーを超えて通信できる規格であり、日本発のスマートホーム・HEMS 向け標準規格である。
要素 | 内容 |
---|---|
対象機器 | 白物家電(エアコン、冷蔵庫など)に加え、給湯器、太陽光発電、電力量計など住宅設備も含む |
通信方式 | 主に IP(Wi-Fi、Ethernet)や非 IP(ECHONET Lite over Wi-SUN など) |
規格名 | 正式名称は「ECHONET Lite(エコーネットライ ト)」 |
特徴 | オープン規格・マルチベンダー対応・相互接続試験が行われている |
運営団体 | 一般社団法人エコーネットコンソーシアム |
環境
- Home Assistant 2025.5.3
- プラグイン echonetlite_homeassistant with HACS
- SHARP AC-L56ATC
Home Assistant に HACS をインストールする
まず HACS(Home Assistant Community Store)をインストールした。
HACS をインストールすることでサードパーティ製のプラグインを簡単にインストールできるようになる。
$ wget -O - https://get.hacs.xyz | bash -
$ sudo systemctl restart home-assistant@homeassistant
再起動後に GitHub で認証手続きをした。
EHONET Lite のプラグインをインストールし設定する
HACS の検索窓で EHONET と検索するとヒットするechonetlite_homeassistant
を利用した。
右下に表示されるダウンロードボタンをクリックし Home Assistant を再起動した。
設定->デバイスとサービス->ECHONETLite->エントリーの追加
エアコンが登録されると以下のようにセンサーの情報取得とコントロールができるようになった。

取得できたのは以下の 8 エンティティだった。
- Air flow rate setting(風量)
- Automatic control of air flow direction setting(風向)
- Measured instantaneous power consumption(瞬間消費電力)
- Measured outdoor air temperature(外部温度)
- Measured value of room relative humidity(室内湿度)
- Measured value of room temperature(室内温度)
- Measured cumulative power consumption(積算消費電力)
- 仕事場エアコン(エアコンコントロール)
外部温度センサーが 125℃ になっているがどうやら 40℃ 以上は測れない仕様らしい。これはエアコンの機能に依存すると思われる。

図のように 40℃ を超えると値が 125℃ にジャンプしている。

上記は Home Assistant に表示されるコントローラだ。 直感的にわかりやすく、現在の温度と設定温度の差が見やすくていい感じだ。
まとめ
Home Assistant に ECHONET Lite のプラグインを導入しエアコンをコントロールできるようにした。
エアコン本体から起動状態を取得できるため、SwitchBot などの IR 経由の操作と比べ信頼性が高く、リモコンやスマホの操作を併用した状態でも起動状態を正しく反映できる点がとてもよい。
積算電力も取得できるのでエナジーダッシュボードで電力利用量の可視化もできそう。
ECHONET Lite は大手日本メーカーのエアコンはほとんど対応しているようなので、他のエアコンに関しても順次対応させていきたい。
参考
おしまい