Wi-Fi 対応エアコンを Home Assistant から操作したくて調べたところ、自宅の SHARP AC-L56ATC が ECHONET Lite に対応していた。
HACS からechonetlite_homeassistantを導入すると、運転状態や設定温度だけでなく、室温、湿度、外気温、瞬間消費電力、積算消費電力も取得できた。付属リモコンやメーカーアプリで操作した状態も Home Assistant 側へ反映される。赤外線リモコンで操作したときのように表示がずれないことが、今回いちばん実現したかったことだった。
SHARP AC-L56ATC を Home Assistant へ登録できた
エアコンを登録すると、Home Assistant から運転状態、設定温度、風量、風向を確認・操作できるようになった。
エアコン本体の状態を取得するため、付属リモコンやメーカーのスマートフォンアプリで操作した後も Home Assistant 側へ状態が反映された。
Home Assistant と ECHONET Lite の検証環境
- Home Assistant 2025.5.3
- Incus コンテナ上の Home Assistant Core
- HACS
- カスタムインテグレーション
echonetlite_homeassistant - エアコン: SHARP AC-L56ATC
ECHONET Lite は、メーカーが異なる家電や住宅設備を共通の方法で監視・制御するための通信仕様である。Home Assistant から見ると、対応機器の運転状態やセンサー値を取得し、機器が対応する項目を操作するために使える。
ただし、仕様に項目があっても実機がすべて対応しているとは限らない。この記事で扱う取得結果は AC-L56ATC で確認したものである。
Home Assistant を Incus へ構築したときの手順は別の記事にまとめている。
Home Assistant Core へ HACS を導入した
HACS を導入していなかったため、Home Assistant Core を実行するユーザーで次のインストールスクリプトを実行し、サービスを再起動した。
wget -O - https://get.hacs.xyz | bash -
sudo systemctl restart home-assistant@homeassistantこれは今回の Home Assistant Core 環境で実行したコマンドである。Home Assistant OS、Container、Core では HACS の導入方法が異なるため、別のインストール方式へそのまま流用しない。
再起動後、HACS の初期設定と GitHub での認証を完了した。
HACS から ECHONETLite Platform をインストールした
HACS を開き、インテグレーションからECHONETLite Platformを検索した。リポジトリを選んでダウンロードし、Home Assistant を再起動した。
画面上のインテグレーション名は ECHONET Lite、GitHub のリポジトリ名はechonetlite_homeassistant、カスタムコンポーネントのディレクトリ名はechonetliteだった。
エアコンの IP アドレスを指定して登録した
Home Assistant で「設定」→「デバイスとサービス」→「インテグレーションを追加」→「ECHONET Lite」を選び、エアコンの IP アドレスと表示名を入力した。
この後、別の ECHONET Lite 機器では DHCP によって IP アドレスが変わり、cannot_connectになった。新しい IP で再検出し、既存のエンティティを維持したまま復旧した経緯は別の記事にまとめている。DHCP 予約は再発防止の候補だが、まだ実施していない。
AC-L56ATC では 8 エンティティを取得できた
登録後、AC-L56ATC では次の 8 エンティティが作成された。
- Air flow rate setting(風量)
- Automatic control of air flow direction setting(風向)
- Measured instantaneous power consumption(瞬間消費電力)
- Measured outdoor air temperature(外気温)
- Measured value of room relative humidity(室内湿度)
- Measured value of room temperature(室内温度)
- Measured cumulative power consumption(積算消費電力)
- 仕事場エアコン(エアコンコントロール)
エアコンコントロールから運転状態と設定温度を確認・操作できた。風量と風向も変更でき、各センサーから温湿度と消費電力を取得できた。利用できるエンティティは機種によって異なるため、別の機種でも同じ 8 個が作成されるとは限らない。
外気温が 40℃ 付近から 125℃ へ変化した
検証中、外気温が 40℃ 付近まで上がった後、外気温エンティティが 125℃ へ変化した。
ECHONET Lite の家庭用エアコン仕様では、外気温度計測値のデータ範囲に -127℃ から 125℃ が割り当てられている。そのため、125℃ と表示されたことだけではインテグレーションの変換エラーとは判断できなかった。
実際の外気温が 125℃ だったわけではない。AC-L56ATC が測定範囲外の値を 125℃ として返したのか、別の理由なのかはメーカー資料で確認できていない。外気温を自動化の条件に使うなら、現実的な範囲を外れた値をそのまま採用しないようにしたい。
付属リモコンで操作しても表示がずれなかった
Home Assistant から操作できるだけなら赤外線リモコンでも実現できる。しかし、ECHONET Lite ではエアコン本体の状態を取得できたため、付属リモコンやスマートフォンから操作しても Home Assistant の表示がずれなかった。この点がかなりよかった。
外気温の 125℃ のように、自動化へそのまま使うには注意が必要な値もあった。瞬間消費電力と積算消費電力も取得できるので、Energy Dashboard でも利用できる。
参考
ECHONET Lite の概要は公式サイトで確認できる。
規格書と機器ごとの仕様書は公式の仕様書ページにまとまっている。
今回導入したカスタムインテグレーションのリポジトリは次のとおりである。
HACS の導入方法は、Home Assistant のインストール方式に合った公式手順を確認する。
おしまい




